魂の洗濯 Puja

Diwali(ディーワーリー)はヒンドゥー教の新年のお祝いで、「光のフェスティバル」と呼ばれている。毎年10月末から11月にかけての新月から5日間続き、現地では花火が上がったりする一大イベント。

Puja(プージャ)は、インドのお寺では毎日行っている神様への礼拝儀式。
マントラを唱えながら火を焚いて、仏像にご飯や果物などの捧げものをしたりして、自己浄化するとか、神様と一体になるとか、エゴを燃やすとか、願いを叶えるとか、いろんな効果があるらすい。

真言宗の護摩焚きも、紀元前2000年のバラモン教のこの儀式から由来していて、インドでは、火を使って行う儀式をサンスクリット語でHOMA(ホーマ)と呼び、それが中国で訛って護摩(ゴマ)となったとか。

イタリア旅から帰って来たある夏、私はたまった仕事に追われ、自宅のアパートでキリキリしていた。そんな時、ドイツ人の友人エレンから『Puja行かない?』と、映画にでも行くようなノリで誘われた。

「プージャ??!何それ?!美味しいんですか?」などと質問しても、説明できないからとにかく来い!と言われて行ってみたのが初プージャ。

チェルシーにあるお金持ちそうなアパートの一室の中庭に入ると、席にはすでに人が座っていて、エレンは私の方を振り返りウィンクして座るよう指示した。

インドのインセンスらしいバラの香りが心地よく漂い、マントラと時々鳴る鈴の音が延々と繰り返されている。

最初こそ、やばいカルトに来ちゃったかなと半信半疑だったが、いつの間にかボーッと頭が真っ白になり、さっきまでの東京砂漠のようなイライラ感から一変して、ピースフルな静寂が心に広がっていった。

彼女の長年の友人であるこのナイスミドルなドイツ人男性がこのPujaの司祭。彼はもともとNY大学を卒業し映画監督をしていた頃、突然インドに魅せられ南インドへ行き、毎日礼拝に参加するようになったそう。

カルマか、それとも彼の純粋な人柄故か、その寺院のグルに見込まれ、「君にPujaを伝授するから、Priest(儀式をする司祭)になりなさい。そして海外でPujaをしなさい」と言われて以来、NYやヨーロッパ各地でPujaを無償で行なっている。

今回は、ディーワーリーにちなんで、床がキャンドルと花びらで美しくデザインされていた。皆でマントラを歌いながら(ここのマントラはポップス調)、ひとつひとつ火を灯していく作業が、参加者たちの一体感をより深いものにしてくれた。

よくよく見ると、中心に小さなエンジェルも飾ってあり、ヒンドゥーに魅せられた元クリスチャンらしい演出が何とも彼らしかった。

そんな元映画監督のアーティステックでエレガントな儀式演出と彼の無垢なスマイル、火を見つめながらの静寂、Pujaのあとのベジタリアンポットラックパーティ。老若男女もステイタスも関係なく、Pujaという儀式のもとに集まる不思議な会が最近の楽しみです。

忙しい時ほどパソコンから離れて何も考えず、ただただ礼拝に身を任せるというのは、まさに魂の洗濯。お風呂に入った後のリフレッシュ感が味わえる貴重なひと時。

皆様も、お近くのお寺や教会に足を運んでみたり、電気やテレビを消してホーリーなキャンドルナイトを楽しんでみてはいかがでしょう。