人生とは勇気ある行動

部屋を片付けていたら一枚のカードが出てきて、ある日のことを思い出した。

1年ぐらい前だったと思う。いつも通りオフィスで仕事をしていると、久々に出張でNYにやってきた韓国人の女性がやってくるなり「rararaちゃんひどく疲れて老けた顔してるね~。ダメだよそんなんじゃ~、お手入れちゃんとしてる?!」と想定外のダメ出し。

そう、この女性はいつでも悪気無く、思ったことをすぐに口に出してしまう正直な性格なのだ。そうと分かっていても、34歳の乙女(!)の心は凹みまくりだった。その日のランチ時、私は一旦家に戻って忘れ物を取ってくる必要があり、うつむき加減でフィフスアベニューを早歩きしていた。

53丁目の角を曲がると、ダンボールに手書きのサインボードが目に入った。いつものホームレスだろうと思って、適当にポケットに入っていた数ドルを渡したところ、綺麗な花の写真が写っているポストカードを渡してくれた。ホームレスが何かをくれることは珍しく、思わずふと顔を見上げた。

その男性の顔は全体的に凸凹に腫れて痛々しく、一瞬目を反らしそうになるくらいだった。「Hemangioma(血管腫)」という病気なのだそうで、道行く人たちが二度見をするほど。その顔のせいで、仕事も限定されるし、何もしてなくても人から嫌われてしまい定職につけないのだそう。

私は急いでいたので、お礼だけ言って地下鉄に向かった。電車で移動中、片面は英語で、片面はスペイン語で印刷されたカードを電車の中で読んでいたら、みるみるうちに目が涙で一杯になった。

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LIFE IS AN ACT OF COURAGE!

Feeling life with its suffering is weakness; Inspiring life is strength.

The Flower is the most symbolic visible form of what life is: Beautiful, Fragile, Ephemeral… Enjoy it!

We are an instant that disappears in time; There is nothing to hide; and nothing to lose.

Life is suffering because of its form; It is beauty because of its nature; and a mystery because of it’s miracle.

We have a mind so narrow, That we evoke with more strength, a more insignificant offense than hundreds of received benefits.

Enjoy a boy’s smile and console an old person’s fears.

Ugliness is like the herb, beauty is like the flower, If one dries up the other withers. In essence the same thing.

人生とは勇気ある行動

苦痛を感じながら生きるのは臆病であり、感動的な生活とは強さである。

花は、人生とは何かを最も象徴的に体現している。美しさ、脆さ、儚さ・・・それらを楽しもう!

私たちはやがて消えてしまう。何も隠すこともなければ、何も失うものもない。

目に見える形があるせいで、人生は苦痛なものになる。自然であるからこそ美しく、奇跡であるがゆえの神秘。

私たちの考え方はとても偏狭なため、すでに受け取っている何百もの恩恵より、取るに足らない侮辱にフォーカスし、さらに複雑に考えることに思考力を使ってしまう。

少年の笑顔を楽しむとともに、老人の不安を慰めて。

例えるなら、醜さは香りのようであり、美しさは花そのもの。そのどちらかが枯れてしまえば、もう一方もしおれてしまう。そして本質的にはどちらも同じもの。


(う〜ん、訳は難しいねぇ・・・)

全てをGoodとBadで仕分けして、Goodを増やしてBadを無くそうとする努力。一般的には当たり前なことだけど、Badと呼ばれる部分を認める方法を子供の頃にもっと習っておきたかったものです。

人間は肉体を持っている以上、容姿に捕われてしまうのはある程度仕方ないこと。容姿だけじゃなく、身に着けてるモノ、肩書き、才能、知識、サラリー、家柄などなど。特に資本主義に生まれ育った人の大半は、様々なアスペクトが人を測る物差しであり、どれだけ何かを持っているかが、幸か不幸かの判断基準。そういう人は外形をケアして取り繕うわりに、内面は見事なまでに弱い。

私はたった一人の率直な意見だけで簡単に心が折れていたけど、この詩を書いた男性はどれだけの辛い出来事や思い出があっただろう。そして、人が振り返るほどの腫れた顔でストリートに立ち、お金をもらう勇気。その姿は、身を持って強く生きることを人々に伝えている聖者そのものだった。

すごいタイミングで、ありがたい御言葉を頂けたことに心から感謝した日だった。