君が今日インドに来ることもすでに決まっていた

チケットと宿を手配し、釈迦力で仕事を片付け、一応母親に「インドに行くことにした」と電話した。

母の返事は「うん、行くと思ってたよ」とあっさりしたものだった。私の放浪癖にもすっかり慣れ、「物を拾って食べないように(笑)」とだけ注意された。してませんから!

NYからインドまでは約20時間!しかも着いたら2日経ってる・・・涙

相当疲れるだろうと心配していたけど、ラッキーなことに往復とも隣が空席だったので快適だった。

Jet Airwaysはインドの航空会社で、すごく綺麗。インディペンデント映画も充実してたし(ボリウッド映画ファンなら30時間くらい乗ってても飽きないほど)、食後に「アイスクリーム♪」って聞こえた時は妄想かと思った。途中ベルギーで乗換なので、ベルジャンチョコレートコーティングのバー・アイス。かっちかちに冷えてたけど、もう数日アイスが食べられないとなると貴重だった。(アイス中毒患者なので)

インドへの入国は事前にビザの取得が必要なのだが、なんと!2010年から日本人は、30日間以内の滞在ならアライバルビザ(Visa On Arrival)がインドの主要な空港で取得できるのだ。手続きに必要なのは、パスポートサイズの写真2枚、現金60ドル、帰りのチケット、宿の証明書などが必要。(2012年現在)

チェンナイ空港に着き、とりあえずトイレに行ってみると・・・でたー!!神が無いタイプのトイレットー!

空港ならまだ大丈夫かと思っていたけど、そうかー・・・モロッコで左手で拭く快感を経験済みだとはいえ、紙のあるトイレ生活からやってくると最初の勇気を出すのに最低でも3分はかかる。

その後、ビザ取得のために取調室みたいな部屋に入ると、先に入っていた旅行者が手続きに戸惑っていて、私はそれを待たなければならなかった。何が問題かって、現金3000ルピーを持ってないことだった。でも、その人はお連れさんがいて、その人が両替所(イミグレを通って一階にあります)に行き、カナダドルとルピーを両替して万事解決していた。

あの~、私もルピー持ってないんですけどぉ。と言うと、なに君もか?!と、やれやれ顔。「だって、インドルピーは海外で両替できないから持ってこれないじゃん!」と言ったら、「そうなんだよね~。でも、デリーみたいな大きい空港はドルを受け付けるけど、チェンナイ空港ではルピーしか受け付けない」(2012年1月現在)と空港職員。。。じゃあどおすんですか~?

「Jet Airのスタッフが君を両替所に連れていくから待ってて」 と言われるも、予想通りぜんっぜん来ず。

イミグレには誰もいなくなり、結局その職員さんがスタンプから両替の案内まで全部やってくれて・・・最初からそうしてくれれば・・・あぁ〜これがインディアなのね。

そんなこんなで、空港出るまで1時間以上かかり、もう午前1時過ぎていた。

夜中だって〜のに、空港の外はインド人でごった返していた。そして、事前に空港に迎えにきてもらうよう予約していたタクシーの運転手さんの姿が見当たらない・・・

どうしたものかと思ってたら、インド人のおっちゃんが「どうしただ?」と心配してくれ、事情を話すと彼の携帯で運転手さんに電話をしてくれた。その後すぐに運転手さんが戻ってきてくれ、おっちゃんにお礼を言おうと思ったら、いつの間にどっか行ってしまっていた。

タクシーに乗るなり、「君が今日インドに来ることもすでに決まってたし、僕の車に乗ることもすべて前々から決まっていた。インドは旅行者が選んで来るのではなく、インドの神様が旅行者を選ぶのだ」 と、絵に描いたようなインド人らしい運命論を言われ、あぁこれぞインディア・・・と妙に実感した。

そう、インドの超有名な聖者ラーマクリシュナ・パラマハンサ(1836-1886)曰く、木の葉一つ落ちる瞬間でさえ神様が決めている、と言い切っていたし、私が今向かおうとしているお寺にいた聖者シュリー・ラマナ・マハリシ(1879-1950)も同様のエピソードがある。運命論はインドでは大昔からメジャーな考え方だし、私も子供の頃から運命論に違和感は無い。

アシュラムまでは4時間のドライブ。時々、チャイの屋台に止まっては休憩した。運転手さんに「やっぱ牛は食べないんだよね?」と質問すると、クククっと笑い出し「いや、時々食べるよ」と言っていた。

窓の外は、車がびゅんびゅん通る道路の脇で寝転がってる人、夜中2時にお寺参りに出かける巡礼バス、田舎の香り、野良犬、キラキラネオンの神様像など、今までに見たことが無い光景が展開されていた。